昨日は、盛岡青年会議所で開催された、新渡戸稲造著書「武士道」の勉強会に参加してきました。盛岡先人記念館の館長さんをお迎えして、「武士道」の解説をしていただきました。
恥ずかしながら、「武士道」に触れるのは初めてだったのですが、あまりに奥深い内容に、大変感銘を受けました。原著は英文、訳本も時代が古く文語体で書かれているとのことで、一人で読み深めるのは大変だったに違いないのですが(笑)、このような機会があって本当によかったです。
さて、日本の道徳を説くその書について、館長さんに解説いただいたすべてが深く考えさせられる内容ばかりだったのですが、私が一番心に残ったのは、「名誉」について書かれた部分でした。当時の武士は、人格の尊厳と価値を自覚し、その名誉をとても大切にしたということです。名や面目を重んじ、それを汚すことを恥としたわけです。私は、武家に生まれると御家のために生きねばならず、まるで自分らしさを発揮できずに卑屈になってしまうのではと思っていました。でも、「武士道」に書かれてある考え方を紐解くと、人間は、生まれたときからすでに名誉を持っていて、それを汚さないように、それに恥じないように行動しなさい、という道徳です。つまり、これは、一人ひとりの存在に対する強い肯定であり、それが子供の頃から刷り込まれていくわけです。
自己肯定感が育たず簡単に自ら命を絶ってしまう現代の子供たち。自己肯定感をすり減らして生きている現代の大人たち。どんなに頑張って、どんなに形に残る成果を出しても、心の空虚さを訴える人が多いです。でも、「自由」というのは、「あなたはこの世の中にいてもいなくてもいいですよ」という意味では決してないんですよね。
そのようなことまで派生して考えることができた、とても有意義な勉強会でした。